ロボット×画像認識カメラで加速する工場のDX化
「生産ラインの自動化を進めたいが、システムの導入はハードルが高い」
人手不足に悩む現場は少なくありません。生産ラインの自動化はコンベヤによる搬送にとどまらず、ロボットと画像認識を組み合わせたDX(デジタル・トランスフォーメーション)へと広がりを見せています。本記事ではそんな産業ロボットや画像認識カメラの種類、システム導入のポイントをコンベヤメーカー目線で詳しく解説します。
1|製造現場はどこまでDXが進んでいるのか

1-1|「運ぶ」「判断する」「作業する」──すべてを自動化する時代へ
人手不足や品質安定化を背景に、生産ラインの自動化は製造現場にとって急務となっています。これまで人が製品を運び、手作業で仕分けをして、目視で状態を検査するのが当たり前でした。現在では搬送・作業・判断といったすべての工程を機械が代替しつつあります。
コンベヤによる製品搬送の自動化はイメージしやすいかもしれません。「搬送」に加え「判断」の役割を画像認識カメラに、「作業」の役割を産業用ロボットに任せ、互いに連携し合うシステムの導入事例がここ数年で加速しています。
たとえば、食品工場で菓子類をコンベヤで流し、画像認識カメラで焼きムラをチェック、ロボットで欠陥品を取り除く一連の工程を自動化しています。生産ラインの自動化は省人化だけでなく、欠陥品の流出など品質の安定化にも効果的です。人の目や手作業には限界があり、どうしてもミスが発生してしまうためです。 今回はロボット・画像認識カメラ・コンベヤの連携によって、生産ライン全体の効率化に成功した事例を詳しく解説します。
1-2|現場の課題を解決した導入事例
【食品工場】仕上がり検査の自動化
画像認識カメラを使えば、食品の色や欠け、異物の有無を判定することができます。そのスピードは1分間に100個もの製品が流れるコンベヤを止めることなく処理するほどです。判定結果はリアルタイムでロボットへ送信され、ロボットは良品と欠陥品の仕分け作業を同じスピードで行います。このシステムにより人件費を削減、24時間連続運転が実現し、生産能力が大幅に上がりました。
【自動車工場】ピッキング作業の自動化
3Dカメラとロボットを使えば、無造作に積まれた部品を箱から取り出し、生産ライン上に整列させることができます。従来は作業員が1時間かけて600個を手作業で並べていた工程でも、3Dカメラが部品の形状や向きを瞬時に把握し、ロボットがその情報をもとにピッキング、所定の位置への整列までの一連の流れを自動化できます。このシステムを使えば、重量物でも安定したスピードで作業をすることができます。
【製薬工場】ラベル・印字検査の自動化
ラインセンサカメラを使えば、製品のラベルや服用期限の印字を0.1mm単位でチェックし、文字カスレや傷を判別することができます。たとえば医薬品の包装ラインでは、1分間に300個ものスピードで流れてくる製品を高速で処理することができるようになりました。人の目に頼らないため、生産性は向上し、ヌケモレのない検査を同時に実現することができるようになりました。 搬送・判断・作業。人が担っている工程には、まだまだ改善の余地が残されています。次の章からはロボットや画像認識カメラの種類について詳しく見ていきましょう。
2|現場作業を自動化する、ロボット×コンベヤの連携ポイント

2-1|パラレルリンクロボット
食品や日用品などの小さなモノ(3キログラム程度)をつかんで置く作業では、パラレルリンクロボットが使われます。パラレルリンクロボットとは、複数のアームが並列に動作する構造を持ち、高速かつ高精度な動作が得意なロボットです。
ライン上を高速で流れてくるワークを一瞬でつかみ、指定の位置に移動する作業ができ、1分間に100個という処理速度を持ちます。
パラレルリンクロボットの導入に適したコンベヤ
▷壊れにくいコンベヤ
▷正確な位置を伝える機能を備えているコンベヤ
高速作業が得意なパラレルリンクロボットは、24時間体制で稼働する現場でも活躍しています。そのため長時間使用でき、メンテナンス頻度の少ないコンベヤが適しています。当社では摩耗に強いベルト材質を採用するなど、長時間使用を想定したコンベヤを取り揃えています。 またパラレルリンクロボットでワークをつかむためには、ミリ単位の位置情報が必要になります。ロータリエンコーダによる位置検出機能を備えたコンベヤだと、安心して導入いただけます。

高速&24時間運転対応タフネスベルトコンベヤ

2-2|多関節ロボット
車のボディーなど大きなモノ(数十キログラム)をつかむ作業では、多関節ロボットが使われます。多関節ロボットとは、自在に動く関節機構と高出力モータを備えたロボットです。水平・垂直動作だけでなく、斜めや旋回といった複雑で立体的な動きができ、対応できる作業は多岐に渡ります。
多関節ロボットは高出力で可動域が広いため、労働安全衛生法で安全柵や囲いによる安全対策が義務付けられています。人と協力して行う複雑な作業ではなく、単独作業に適したロボットと言えます。
多関節ロボットの導入に適したコンベヤ
▷高耐荷重のコンベヤ
▷搬送の安定性が高いコンベヤ
多関節ロボットはパワーがあるため、大きなワークを扱います。したがって、ワークを流すコンベヤ側にも荷重や衝撃に耐えうる堅牢性が求められます。また、ピッキングや組立作業を多関節ロボットに任せる場合は、ワークを決まった位置に停止させる必要があるため、搬送中の減速制御や停止位置の微調整ができるコンベヤが適しています。
2-3|協働ロボット
人間と協力して作業できるロボットを協働ロボットと呼びます。多関節ロボットのように安全柵で囲う法的義務がなく、作業者のすぐそばに配置できます。
パラレルリンクロボットではパワーが不足する場合や、多関節ロボットよりもレイアウトに柔軟性を持たせたい場合に使われるロボットです。人と接触すれば自動で停止するため、衝突によるケガのリスクが低く抑えられています。
協働ロボットの導入に適したコンベヤ
▷作業者にとって安全なコンベヤ
▷レイアウト変更がしやすいコンベヤ
ボルトや角部を内側に収めたフレーム設計など、作業者のケガや衣服の巻き込みに配慮されたコンベヤが適しています。また、軽量でモジュール化されたコンベヤであれば、生産ラインのレイアウト変更にも柔軟に対応できます。
3|検査の目を機械化、画像認識カメラ×コンベヤの連携ポイント

3-1|3Dカメラ
ワークの形が不規則なケースでは、3Dカメラが使われます。3Dカメラはワークの奥行き情報を認識できるため、より詳細に物体の位置や形状を把握できます。バラ積み状態や、段ボール内にランダムに放り込まれた部品の位置・姿勢を3Dカメラが判断し、ピッキングに必要な情報をロボットに伝達。人が1つずつ整列させていた工程を自動化できます。
3Dカメラの導入に適したコンベヤ
▷ベルト色を変更できるコンベヤ
▷振動付き整列用コンベヤ
黒い製品を黒いベルトで搬送するなど、ワークと背景にコントラストがない場合、3Dカメラは輪郭をうまく認識できません。また、バラ積みされた部品をピッキングする際、ワークが密集していると認識精度が落ちるため、段差や振動付きの整列用コンベヤを使い、ワークを1列に整えるコンベヤが必要になります。
3-2|エリアセンサカメラ
製品全体の色や形状を判別したいときは、エリアセンサカメラが使われます。
エリアセンサカメラとはデジタルカメラのように、「面(エリア)」でワーク全体を一度に撮影する画像認識カメラです。「走査型」のラインセンサカメラと違い、撮影が一度で終わるため処理がシンプルで速い特徴があります。
●エリアセンサカメラは、止まっているモノを一度に判別(食品の欠品など)
●ラインセンサカメラは、動いているモノをスキャンしながら判別(ラベルの認識など)
それぞれ特徴の違いがあり、目的によって使い分けられています。
エリアセンサカメラの導入に適したコンベヤ
▷製品を表裏反転できるコンベヤ
▷製品の判別をアシストするコンベヤ
エリアセンサカメラの弱点は一度に片面しか検査できない点です。当社では生産ラインの流れを止めることなくワークの表裏を反転する”反転機構”を備えたコンベヤを取り揃えています。 異物検査やパッケージ内の欠陥検出など、表面検査だけでは判別が難しい場合は、コンベヤの背面から光を当てる”透過検査”が有効です。LEDライトパネル付きコンベヤであれば、製品を下から照らすことで、エリアセンサカメラが上部からその影を撮影、食品内部の異物検査が可能になります。
3-3|ラインセンサカメラ
高速で流れる製品の表面検査には、ラインセンサカメラが使われます。ラインセンサカメラとはコピー機のスキャナーのように、「線(ライン)」でワークの表面を撮影し、1枚の画像を合成する画像認識カメラです。「走査型」と呼ばれる仕組みを採用しており、高速かつ高解像度で画像を生成できるのが特徴です。
たとえば食品や医薬品、電子部品などのラベルのキズや印字不良、異物の検出など、精密な判断が求められる工程で使用されます。
ラインセンサカメラの導入に適したコンベヤ
▷搬送精度が高いコンベヤ
▷正確な位置を伝える機能を備えているコンベヤ
ワークの表面を正確にスキャンするためには、ワークを流すコンベヤ側の搬送精度が求められます。搬送速度や揺れ、蛇行の有無などコンベヤに求められる要求も高くなります。また、ラインセンサカメラはワークが通過する瞬間に合わせて撮像を開始するため、ミリ単位の位置検出が必要となります。
4|まとめ:ロボット×画像認識カメラで広がる工場自動化の伸びしろ

今回はロボット×画像認識というテーマで、生産ラインの改善事例を紹介しました。製造の現場は従来の「搬送」だけの自動化に加え「作業」「判断」と組み合わせ、部分最適ではなく生産ライン全体の最適化へと進化しています。
当社は搬送技術を磨き続けてきましたが、今や単なるコンベヤメーカーではありません。ロボット・画像認識カメラ・コンベヤを統合したトータルソリューションカンパニーとして現場改善をサポートをしています。
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