技術力

システム製品

システム製品

既製のコンベヤでカバーできない搬送ニーズを満たすために、オリジナルで開発するのが「システム製品」です。先進的なものづくりに挑むお客様を支えるために、システム製品の設計チームは部品レベルから選び直し、必要な環境まで再現した上で開発に挑んでいます。

「先進的なものづくりには、コンベヤも先進性が要求されます」 製造部設計一課 係長 新津栄一、製造部設計二課 係長 矢崎保

係長 矢崎保

ニーズを満たすための新規設計

搬送にまつわるお客様の課題解決に長年取り組んできたことで、弊社のコンベヤの品揃えは充実しました。カタログにあるコンベヤで、多くの搬送シーンはカバーできるでしょう。しかしお客様は常に先進的なものづくりに挑戦し続けています。過去にない製品を作ろうとしているのですから、その搬送工程にもカタログ品の枠を超えた機能を要求されます。

典型的な例が、大型化が進む液晶パネルの搬送です。パネルが今までにないサイズに大型化すれば、当然ながらそれを運ぶコンベヤも大型化に対応する必要があります。それも単にコンベヤを大型化すればいいだけではありません。例えばパネルが乗るローラは、芯の位置が中心からわずかにずれただけでローラの回転がきれいな円にならなくなり、上に乗るパネルに衝撃を与えてしまいます。パネルが大型になりローラシャフトの長さも数メートルにも及ぶようになると、その長さに渡って芯が中心から少しもずれないようにするのは至難の業です。大型化にともない一層の精度向上も要求されるわけです。

それ以外にも、搬送のスピードや量、荷重などでも、時にお客様から従来にない要求をいただくことがあります。そうした要求に応えるには、やはりコンベヤも新規に設計しなくてはなりません。

検証を繰り返して商品の高速搬送を可能に

ある食品メーカーのお客様からご依頼いただいた搬送システムの設計は、まさに新規設計のオンパレードとも言える案件でした。パッケージングしたさまざまな食品を適切に搬送し、最終的に配送用のパレット上に並べるというものです。それだけならカタログ品のコンベヤの組み合わせでも十分可能なのですが、問題はスピードや大きさなどについて、さまざまな条件が課されていたことでした。

例えばあるビン詰商品は分速100mで、また袋入り商品は1分あたり200個搬送することを、そのお客様は望まれていました。ここまで高速な搬送が可能なコンベヤはカタログ品だけでは対応できません。また工場内のレイアウトに最適化したコンベヤを用意するのが条件でした。当然ながらコンベヤは新規に設計しなくてはなりません。

お客様がこうした点にこだわるのは、限られた工場のスペースでできる限り多くの商品を作ることで、最終的な生産効率を上げるためです。製造業にとって生産効率の改善は永遠のテーマです。搬送のプロである私たちは、改善を進めたいお客様の要望に常に応えなくてはなりません。

ところが実際に設計してみると、やはり簡単ではありませんでした。コンベヤの大幅な高速化は技術的に可能なものの、そこに実際の商品を流すと柔らかい商品は形状が崩れるなど、商品が高速搬送に耐えられないことが判明したのです。そこで商品の姿勢を整える特殊な可動式ガイドを組み合わせ、さらに流れの加減速やタイミングを調整し、動作検証を繰り返すことで何とか高速化は実用可能になりました。商品をパレット上に並べる部分ではロボットを専門メーカーから調達し、ムダのない動きで適切に並べられるようなプログラムを自社で開発しました。

しかし生産効率改善の観点からすれば、コンベヤだけが速くても効果は限定的です。実際、ライン全体のタクトタイムは、コンベヤが高速化してもお客様が設定する目標には届きません。ライン全体とタイムチャートを見渡し、どこか改善ポイントがないか考えた末に目をつけたのが、途中で商品を持ち上げて旋回するという、2つの動作が続けて行われる工程 でした。試行錯誤の末、それらの動作をサーボ化し、動きを同期することで時間を短縮することができ、最終的にお客様の目標を満たすことができました。

クリーンブースを自社内に作って測定

設計部門にとって、試作した搬送機の仕様検証を行うことは重要です。以前、クリーンルームで使う搬送機の依頼を受けた際は、弊社内にそのためだけに検証用のクリーンブースを設けたこともあります。搬送による塵が出ていないか、周囲の気流によりそれが舞い上がったりしないかは、目では到底確認できません。そこでクリーンブースを実際に作って、クリーン測定を行いながら、設計した搬送機が実際にクリーンルームの環境に影響を与えないかを検証したのです。そこまで突き詰めることで、私達はお客様に自信を持って提供することができるのです。

お客様が求めるのは、必要な仕様を満たした搬送ラインの実現です。そのための実現手法や環境への影響までお客様自身が気にしなくてはならないのでは、お客様が作る製品自体の高付加価値化など、本来お客様が注力すべきことに手が回らなくなってしまいます。実現がどれだけ難しいことであれ、そのための手法を考え出すのは、搬送のプロである弊社技術陣の責務と考えております。