幹部座談会

Subject 01個人の能力を組織の力で最大化し、総合力を発揮
林社長

小澤: 今日はよろしくお願いいたします。まずは皆さんが現在取り組まれていることについて教えていただけますか。

林: 全社的に現在取り組んでいるのは、機器だけでなくノウハウを含めた搬送システムの提供です。物を移動させる搬送工程は、どこの生産現場にも存在します。お客様の望まれる省力化・生産性アップに応えるために、機器だけでなく搬送に関する知識やノウハウの提供の充実をはかっています。

溝口: コンベヤの国内市場は、工場の海外移転などで伸び悩んでいると認識しています。営業部門はその中で売上目標をどう確保するかが、目下のテーマです。 その営業部門を新製品の開発で支援するミッションを担っているのが設計部門です。お客様に新たな価値を提供するうえで新製品開発は重要です。毎年6~10機種を目標に新製品を開発しています。
製造部門も、良質の製品を納期に合わせて提供するという点で、営業支援の機能を持っていると言えます。特に納期は、お客様にとって品質の一つとも言える要素で、顧客満足度を向上させるためには納期を厳守できる体制作りが必要と考えています。

「お客様から直接声を聞くようにハッパをかけてます」

小澤: 新製品開発というと、マルヤス機械さんは食品業界向けコンベヤをいち早く揃え、業界で確固たる地位を築いてきたと伺っております。そのポイントはどこにあったのでしょうか。

溝口: 一言で食品の搬送といっても、裸の状態、個包装された状態、袋詰めの状態などそれぞれ扱い方が違います。食品用コンベヤは以前からありましたが、裸の物を運ぶ場合の考慮が不足しているものもありました。裸のものにも使えるコンベヤはどうあるべきか、実際のお客様の意見をお聞きしたり、現場を見ながら、洗いやすさやHACCPを考慮し改善を加え新商品をご提供してきたことが、食品業界のお客様から支持をいただく理由になったと考えております。
営業部門のスタッフにとって重要なのは、エンドユーザーのお客様と対面することです。実際の販売活動では代理店様にご協力いただいていますが、スタッフにはできる限り多くの時間お客様と会うようハッパをかけています。お客様から直接声を聞くことで分かることはたくさんあり、それを迅速に設計や製造部門に伝えることが必要です。

ワークフロー

小澤: 最前線の生の情報を設計や製造部門へ伝えるために、何か工夫されていることはありますか。

林: 弊社では、全社利用のグループウエアシステムがあり、社員間のコミュニケーションツール、情報共有ツールとして役立てています。例えば、コールセンターへの問い合わせや要望などの対応連携と、その記録をすべて共有化し、技術・開発部門などでも参考にしていますし、障害報告や品質などの問題と対応内容なども共有化され、活用しています。また、カスタマイズ製品や、特殊制作事例、搬送実験なども多くの事例を共有化し、営業、設計ともにヒントにしています。
そして納期短縮に効果を上げているのは、営業部門の受注情報を製造部門に瞬時に展開するシステムです。受注情報をもとに部品の自動発注などをかけ、製造部門がいち早く生産にかかれるようにしています。現在は受注案件の約3分の1程度でこのシステムが使われていますが、今後は利用をもっと拡大し、一層の納期短縮につなげていきたいと考えています。

小澤: 私どもの調査では、長野県諏訪地域に集積する製造業の特徴の一つは、「高度な生産管理」を実現している点が明らかになっています。マルヤス機械さんが多様な種類のコンベヤを、指定の納期に提供できている理由は、そうした生産管理システムにあるのでしょうね。

林: 現在このシステムで製造にすぐにとりかかれるのは、型式だけで仕様が決まる標準製品です。しかし実際には標準製品のコンベヤでも何らかのカスタム対応が必要なケースがあり、この部分での対応が今後納期をさらに短縮するうえでのポイントと考えています。
本音を言うと、メーカーとしては手離れがよく、回転率も高い標準製品を扱っていた方が都合はいいのですが、私どもメーカーは、お客様特有のニーズに積極的に応えていく姿勢が必要です。

小澤: メーカーから見れば、カスタム対応はある意味「扱いにくいニーズ」なのでしょうね。しかし工場の海外移転が続き国内のコンベヤ市場が伸び悩む中では、こうした扱いにくいニーズにきめ細かく対応するのが、国内市場で成長を続けるためのカギではないかと思っています。お客様と接している営業部門の実感はいかがですか。

溝口: 確かに海外移転が進んでも、扱いにくいニーズに対応する機能は国内に残るでしょう。具体的に言えば、海外メーカーに製造ノウハウがないような分野です。ここに弊社も注力していこうとしています。その分野の一つが「医療」分野です。